歯周病

歯周病の原因とは自覚の少なさ

歯周病とは、歯肉と歯の間の隙間に歯周病菌や虫歯菌などの微生物のかたまりであるプラークが溜まり、腫れや痛みを生じる病気です。ご本人に自覚症状がないまま静かに進行し、気がついた時には取り返しのつかない状態になっていることが多いため、「沈黙の病気」とも呼ばれています。初期の段階では対策を取る以前に気づかない方が多く、さらに骨が溶けても特に痛みなどは感じないので、歯のぐらつきや痛み、膿などの症状を感じた時にはすでに重症になっている場合がほとんどです。一度進行すると元に戻らない病気であることから、早い段階で治療を開始することが大切です。

 

歯周病で歯が抜けるかどうか

「歯が抜ける」というと高齢の方特有の現象と思われている方もいるかもしれません。確かに歯には寿命があり、長く使い続けることでダメージが蓄積されて少しずつ衰えていくことは事実です。しかし歯が抜けるもう一つの要因として、歯周病が進行して歯と歯茎の間に隙間ができ、歯を支えている根の部分の骨が溶けてしまうことが挙げられます。そして歯周病の原因は口内に付着したプラークや歯石であって、そこに年齢は一切関係ありません。つまり、いくら若くても、歯周病が進行すれば歯が抜け落ちてしまうことを避けられないのです。年齢を問わず、誰もが歯周病にもっと危機感を抱いて予防することを心がけるべきだといえます。

 

歯肉炎と歯周病、歯槽膿漏の違い

名前を見ただけでは違いがわかりづらい歯肉炎、歯周病、歯槽膿漏ですが、まず歯肉の部分に炎症が起こる病気を歯肉炎と呼びます。歯肉炎になると歯茎が赤くなり、腫れや出血などの症状が起こります。歯肉炎の段階であれば、丁寧にブラッシングをしたり、歯科医院で歯垢や歯石を取り除いたりすることで治すことが可能です。しかし歯肉炎に対処せずそのままにしていると、さらに深く進行し、歯周ポケットという歯茎と歯の隙間の溝が目立ってきます。これは炎症が歯茎の奥にまで進んでしまったために起こるもので、歯周ポケットが広がることで歯の根元が露出し、歯を支えている歯槽骨が溶けていく歯周病へと発展し、最悪の場合には歯がぐらついて抜けてしまいます。昔で言う歯槽膿漏とは歯肉炎が進行し骨吸収が起こった状態であり、現在では歯肉炎+歯槽膿漏=歯周病という名称になり成人の約8割が歯周病といわれています、歯周病を放っておくと口の中で繁殖した歯周病菌が血液の流れに乗って、呼吸疾患や心筋梗塞、動脈硬化などの全身疾患を引き起こしやすくなるということが最近の研究で判明しており、糖尿病との相互の関係も指摘されています。

 

歯周病のセルフチェック

次の中に1つでも当てはまる項目がある方は歯周病を発症している可能性があるため、歯科医院で検診を受けることをおすすめします。

  • 歯と歯の間に食べたものが挟まりやすい。
  • 歯と歯の間の歯肉が丸みを帯びて、腫れぼったい。
  • 歯肉が退縮したために、歯と歯の間にすき間ができている。
  • 歯肉の色が赤い、または黒っぽい。
  • 疲れた時やストレスを感じた時に歯が浮いたり歯肉が腫れやすい。
  • 歯の表面に舌で触れるとざらつきを感じる。
  • 歯磨きをした時に歯肉から出血する。
  • 朝起きた時に口の中に苦味やネバつきを感じる。
  • 歯肉を押すと白い膿がにじみ出る。
  • 歯がグラつく。
  • 歯が長く伸びてきた。
  • 上の前歯が出てきた。
  • 人から口臭を指摘される。

タナカ歯科の歯周病ケア

歯周病を完全に治すことは難しく、たとえ薬を使って歯周病菌を殺して一時的にお口の中を無菌状態にしたとしても、また元に戻ってしまうことも多いのが現状です。歯周病の原因となるものは、歯の表面を覆っているバイオフィルム(細菌とタンパク質の膜)です。バイオフィルムは排水口のヌルヌルのようなもので、一度綺麗に掃除してもしばらく経つと菌が繁殖してまた広がっていきます。歯周病を防ぐためには、2~3か月に1度はバイオフィルムを取り除いて、お口の中を綺麗に保っておく必要があります。バイオフィルムの元になる菌を減らす方法としては、歯科医院でただ歯石を取るだけでなく、専用の機械を使ったクリーニングを定期的に受けて、ご自宅の歯磨きでは取り除けない汚れまでしっかりと除去してもらうことが有効です。当院ではそれに加えて食生活や睡眠などの生活環境を伺い、患者様一人ひとりに合わせた的確なアドバイスも行っています。

歯周病は理解とやる気

皆さん、ダイエットを心がけたことありますか?
または、喫煙者の方禁煙を心がけたことありますか?

実は歯周病もどうして歯周病になるのかを確実に理解して、何を行えば歯周病は予防できるのかを、きちっと理解してあとは強い意志を持って、毎日習慣として予防に取り組むことです。

どんなに歯周病のことを本で理解をしても、本人のやる気がないと予防は失敗しますし、どんなに一生懸命ブラッシングをしても歯周病という病気を理解できなければやはり効果は得られません。

重度の歯周病でも、根気よく予防的ブラッシングとスケーリング・SRPを続けることで、思いがけないほどの歯の延命が達成できます。

ホームケアを徹底的に進めることにより、より有効なむし歯、歯周病の予防が確立されるに違いないと思っています。

 

院長からのアドバイス

治療と予防は車の両輪です。

片方の車輪が治療でもう片方の車輪が予防です。そしてこの両輪を上手くコントロールするのはあなた自身です。

と言うことは、歯医者で早期発見早期治療、あなた自身が予防(全身的な体調管理と局所的なブラッシング)を心掛ければ、おのずと快適なお口ライフが実現できます。

お口に関する症状・お悩みは、お気軽にお問い合わせください
患者様とのコミュニケーションを大切にし、お口だけでなく心や体の健康までトータルにサポートします
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