真夜中から朝にかけての時間はとてもおごそか。街のざわめきが終わり、また始まるまでの時の流れは、朝日が昇ってきつつ街灯の明かりの存在が徐々に薄らいでいく。とてもノスタルジックな思いにかられます。フランスの著名な哲学者にモンテーニュという人がいます。16世紀後半ルネサンス期に活躍し「随想録」の著作で有名です。彼はその著作の中で「私は何を知るか」という言葉があります。諸思想混迷を深める時代にあって、懐疑的立場に立ち普遍的で絶対的真理の存在を疑い、自分の内面をしっかりと見つめ人間性の真実を追求した功績があります。彼の格言に「自然に対し最も単純に身をまかせることは、自然に対して最も賢明に身をまかせることである。無知と無関心こそは出来のいい頭を休めるのになんと快く柔らかくそして健康的であることか」というのがあります。パリのシテ島のノートルダム大聖堂前の広場のベンチに腰掛け、自然に身をまかせ、無知と無関心の自分を考えています。