もし風景に名前を付けるとしたら、この風景は何と名付けようか?目の前に広がるおだやかな池、バランスの良い木々、夕日が水面に反射し、空・水・台地・太陽を真正面から対峙できる場所。少しでも位置が変われば台無しと言う場所に、ジャストに置かれたベンチ。唐突な思いつきだが、もしここにキルケゴールが生きていて僕の隣に並んで腰かけていたとしたら、いったい何を感じどんな思想を思いつくであろうか。虚弱体質で憂鬱な気質の持ち主で、たった42歳でこの世を去った彼も、ひょっとしたらもっと長生きして、僕と友達になれたのではと思いめぐらせます。ホテルに帰ったら熱いシャワーを浴び、ブラックのコーヒーを飲みながらこの続きのストーリーを考えよう。ジャズでいうマイルストーンのように、この風景はまさに「哲学的風景」だと思います。